国土交通省は4月17日に不動産を賃貸する個人・法人の所有者等がテナントの賃料を減免した場合、災害時と同様にその免除による損失の額は、寄付金の額に該当せず、税務上の損金として計上することができることを明確化したと発表しました。

                               

                         

また、この発表に先駆けて国土交通省は不動産関連団体を通じて、新型コロナウイルス感染症の影響により、賃料の支払いが困難な事情があるテナントに対しては、賃料の支払いの猶予に応じるなど、柔軟な措置の実施を検討頂くよう、要請をしていました。

                       

新型コロナウイルス感染症の影響により、飲食店をはじめとするテナントの入居者がその賃料の支払いが困難となる事案が生じていることに対応した施策が次々と発表されていっています。

    

政策周知徹底の難しさ

様々な支援策が実施されるのは大変望ましいことですが、利用者にその正しい情報、迅速に知れ渡るための施策も重要となってきます。今のこの混乱した状況では無知だというだけでは割り切れない部分もあると思います。

   

たとえば、このテナント賃料の支援策についても「法人・個人が、新型コロナウイルス感染症の影響により賃料の支払いが困難となった取引先に対し、不動産を賃貸する所有者等が当該取引先の営業に被害が生じている間の賃料を減免した場合、次の条件を満たすような場合等には、その免除による損害の額は、寄附金に該当せず、税務上の損金として計上することが可能である。」となっています。

 

そしてその条件ですが、

1、取引先等において、新型コロナウイルス感染症に関連して収入が減少し、事業継続が困難となったこと、又は困難となるおそれが明らかであること。

2、実施する賃料の減額が、取引先等の復旧支援(営業継続や雇用確保など)を目的としたものであり、そのことが書面などにより確認できること。

3、賃料の減額が、取引先等において被害が生じた後、相当の期間(通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間)内に行われたものであること。

 

以上の3つとなっています。また、取引先等に対して既に生じた賃料の減免(債権の免除等)を行う場合についても、同様に取り扱われます。

 

さらにこの取扱いを受ける場合には新型コロナウイルス感染症の影響により取引先に対して賃料を減免したことを証する書面の確認を税務署より求められる場合がございますので、その書面等を作成の上、保存しておく必要があります。

 

その他、細かい施策としては賃貸事業者の収入減の額に応じて、2021年度の固定資産税を半減または全額免除としたり、国・地方税や社会保険料の納付も1年間猶予を認めるなどがあります。

 

この間、あるテナント入居者から賃料の減額の交渉を依頼されました。大家さんとの交渉の中で国などの支援策の話題にも触れ、とりあえず今後の状況を見守りつつ、お互いできることはしていきましょうということで賃料の支払いを3ヶ月間猶予していただけることになりました。

 

そして、テナント入居者も元々通常時の売上に関しては問題もなく、これまでの長年の実績や日頃のお付き合いのおかげで金融機関の融資を何とかうけることができました。

 

ただし、この状況が長引けば、それもいつかは運転資金の底がつき、経営上厳しい選択を迫られることになりかねません。

 

たった一つの情報によってその事業者、会社、従業員、その関係取引先など様々なところに影響がでる可能性もあります。

 

こんな時だからこそ、いろいろなところに相談し、専門家も力を発揮できる機会はたくさんあると思います。

 

当事務所でも様々ご相談、ご要望をお待ち申し上げております。

賃貸人への家賃交渉や家賃の猶予、減免といったご依頼も受け付けております。

ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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