不動産の取得に関する税金についてⅡ
年度末が差し迫り、人事の異動などが活発になり、慌ただしく過ごされている方も多いのではないでしょうか。2021年も何と4分の1が過ぎ去ろうとしています。
さて、前回は不動産の取得時の税金について代表的なものなどを説明させていただきました。
さらに今回は不動産の取得に関して所得税の減税措置について説明させていただきたいと思います。実際、自分でもこの減税措置については経験がございますので、非常に恩恵がある制度だと思っております。
参考:国税庁HP
目次
- 所得税の減税措置
- 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)
- 申告に必要な書類
- 特定の増改築等に係る住宅ローン控除の特例(特定増改築等住宅借入金等特別控除)
- まとめ(群馬県行政書士会伊勢崎支部所属行政書士岩井和幸事務所)
所得税の減税措置
不動産購入時、特に住宅ローン等でマイホームの新築、購入、増改築等をしたときは、一定の要件に当てはまれば、所得税の減税を受けることができます。
また、住宅ローン等を利用しない場合であっても、一定の要件に当てはまれば、所得税の減税を受けることができます。
以下に代表的なものをまとめてみました。
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)
住宅借入金等特別控除とは、個人が住宅ローン等を利用して、マイホームの新築、取得又は増改築等をして、令和3年12月31日までに自己の居住の用に供した場合で一定の要件を満たすときにおいて、その居住年から10年間、年末の住宅ローン残高に応じて毎年一定の金額を所得税額から控除できるというものです。
同様に認定長期優良住宅や認定低酸素住宅の新築または取得して居住の用に供した場合にも、返済期間が10年以上の住宅ローン等一定の要件を満たせば、年末の住宅ローン残高に応じて毎年一定の金額を所得税額から控除できます。
その住宅ローン控除を受けるには、確定申告をする必要があります。ただし、給与所得者は、1年目に確定申告をすれば2年目以降は年末調整で控除ができることになっています。
申告に必要な書類
次に住宅ローン控除を受けるための必要書類ですが
1、マイナンバーが記載されている書類
マイナンバーカードか通知カード(2020年5月25日以降に発行される場合は、個人番号通知書)。もしこれらがお手元に無い場合、マイナンバー記載の住民票の写し、もしくは住民票記載事項証明書で代用できます。
2、確定申告書
会社員等で所得の種類が「給与所得」「雑所得(公的年金等、その他)」「配当所得」「一時所得」のみのかたは確定申告書A、それ以外のかたは確定申告書Bになります。
3、住宅借入金等特別控除額の計算証明書
各地の税務署窓口や国税庁のHPからもダウンロードすることができます。
4、源泉徴収票(給与所得者の場合)
給与所得者は勤務先から住宅を購入した年の源泉徴収票。
5、土地・家屋の登記事項証明書
取得した土地や家屋は法務局に登記されているので、最寄りの法務局出張所に申請して取得。
6、不動産売買契約書や工事請負契約書
住宅を購入した場合は不動産売買契約書、新築工事やリフォーム工事の場合は工事請負契約書の写し。
7、住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書
住宅ローンを借り入れた金融機関から送られてくる証明書で、年末時点の住宅ローンの残高が記載されています。
その他必要に応じて認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、一定の耐震基準を満たす中古住宅は、それを証明する書類のコピーが必要になります。具体的には認定通知書および住宅用家屋証明書、増改築等の場合は建築確認済証、検査済証、増改築等工事証明書等です。
特定の増改築等に係る住宅ローン控除の特例(特定増改築等住宅借入金等特別控除)
特定増改築等住宅借入金等特別控除とは個人が住宅ローン等を利用して、自己が所有している居住用家屋のバリアフリー改修工事や省エネ改修工事、多世帯同居改修工事を含む増改築等をして、一定の要件を満たす場合において、その特定の増改築等に係る住宅ローン等の年末残高の1000万円以下の部分の一定割合を所得税の額から控除するここができます(控除期間は5年間)。
例えば、バリアフリー改修工事の適用を受ける条件としては
1、工事費用の合計額が50万円を超えるものであること
2、そのバリアフリーの工事費用の額が、増改築等の工事費用の総額の2分の1以上であること
3、その工事をした後の家屋の床面積(登記記録の面積)が50㎡以上であること
4、その工事をした家屋が、その特定の個人が主として居住の用に供しているものと認められるものであること
5、償還期間5年以上の住宅借入金等であること
6、この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3,000万円以下であること
7、その他、従来の「住宅の増改築等に係る住宅ローン控除制度」と同様の要件であること
必要書類は先ほどの書類に加えて、高齢者等居住改修工事等の説明書などが必要です。
まとめ(群馬県行政書士会伊勢崎支部所属行政書士岩井和幸事務所)
豆知識:ネコは1日の約7割は寝ているらしいよ~
住宅ローン控除については納める税金額から控除されるという大きなメリットがありますが、初年度は確定申告をしなければならないという手間がございます。
申告にはけっこうな必要書類をそろえなければなりません。それから申告書に記入して必要書類を添えて申告が完了致します。これを確定申告の受付期限内に申告できるように、できるだけ早い時期から手を付けておきたいところです。
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