遺言-ゆいごんといごんについて-
よく相続の相談を受ける際に「遺言」という言葉が出てきます。
皆さんは「ゆいごん」と読んで使う方が多いのではないでしょうか。
実はもう一つ「いごん」と読むケースもあり、どちらとも使います。ではどういうときに使い分ければいいのでしょうか。
まず、遺言とは、遺言を残した人が亡くなった後に、財産の分割について相続する人が揉めないようにするために残す書類です。
法律上は「いごん」
よく、専門家が法律上の効力がある遺言について話をするときには、遺言は「いごん」と読みます。広義の意味での遺言は「ゆいごん」となりますが、「いごん」はより狭い意味でつかわれる言葉です。
イメージとしは世間一般で相続の話をするときは「ゆいごん」、
弁護士や司法書士、行政書士など法律の専門家が業務上言及する場合に使うのが「いごん」ということになります。
ただし、専門家と話をするときにあえて「いごん」を使う必要はなく、「ゆいごん」で十分通じますので、ご安心ください。
さて、その遺言書についてですが、大きく分けて自筆証書遺言と公正証書遺言という形式の2つがあります。(細かいことを言うとそれ以外もありますが、あえてここではこの2つに絞らせていただきます。)
まず、「自筆証書遺言」は別紙を除く全文を自書しなければなりません。もしパソコンやその他の機器で印刷出力し、作成すると無効になってしまいます。
さらに、内容の変更などについても厳しくルールが決まっており、もしこのルールに沿わない形で行ってしまうと、その部分について遺言が無効となってしまう可能性もあります。
文章を書き慣れていない方、しばらく文字を書いていない方だと、作成そのものが難しいかもしれません。
そうした場合は弁護士、司法書士、行政書士などが遺言の案を作成し、それをもとにご自身で作成するという方法が良いかと思います。
次に「公正証書遺言」の場合は、遺言の案を弁護士、司法書士、行政書士などが作成し、本人に確認を取った後、公証役場で公証人に認証してもらいます。
メリットとしてはその遺言書の有効性にあります。
公正証書遺言は公証役場で公証人によって作成されるため要件不備で遺言自体が無効になることは基本的にあり得ません。
また、公正証書遺言は自筆証書遺言と違い、遺言作成者の死後、家庭裁判所による遺言の検認作業が省略されます。
この検認作業が結構重要で、もしこの検認作業の前に遺族が勝手に遺言書を開けて見てしまった場合、その効力が無効となる可能性もあります。
逆にデメリットとしては、公証人や依頼した専門家に自分の財産を公表しなくてはならず、また、手数料や報酬を支払うことになります。
そして財産内容の調査、書類収集等、自筆証書遺言より作成に手間や時間もかかることになるでしょう。
ただし、そうした手間や時間、費用をかけたとしても自分としては確実に有効な遺言を残すという意味で公正証書遺言書での遺言をおすすめ致します。
最後に遺言書の作成自体はさほど難しいことではございません。皆さまそれぞれが何となくこうしたい、ああしたいとお考えがあるかと思います。それをお聞かせいただき、形にするのが専門家である私共の仕事です。
ぜひお気軽にご相談いただければと思います。
お問合せお待ちしております。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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